不思議な自然と文化に魅了される『レーエンデ国物語』(第1巻)

こんにちは。今回は、多崎礼さんの著書『レーエンデ国物語』(第1巻)について紹介したいと思います。

この本は、2023年6月に講談社から発売された、呪われた土地レーエンデで繰り広げられる冒険と恋の物語です。銀霧が舞う森や古代樹の洞、空を舞う泡虫など、美しくも神秘的な世界観に魅了されること間違いなしです。

この記事では、書籍のあらすじやキャラクターなどを紹介し、おすすめの読者層などもお伝えします。ぜひ最後までお付き合いください。

目次

書籍紹介

『レーエンデ国物語』は、多崎礼さんの代表作である『煌夜祭』の作者が贈る、新たなファンタジー小説です。

西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国を舞台に、母を失った貴族の娘・ユリアと、呪われた地・レーエンデで出会った寡黙な射手・トリスタンの冒険と成長を描きます。

空を舞う泡虫、はるか蒼天へと伸びる古代樹、湖に建つ孤島城など、魅力的な世界観と美しい文体が特徴的です。各界のプロや書店員から感動の声が続出し、大注目の国産本格ファンタジーとして話題になっています。

あらすじ

ユリアは、聖イジョルニ帝国の北部にあるシュライヴァ州の貴族の娘です。母を亡くしてからは、結婚と淑やかさのみを求める親族に囲まれて息苦しい日々を送っていました。

そんなある日、ユリアは家を抜け出して冒険の旅に出ることを決意します。彼女が目指した先は、帝国から遠く離れた呪われた地・レーエンデです。

レーエンデは、呪われた地として恐れられており、帝国からも放置されている国です。そこでユリアは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手トリスタンと出会います。

トリスタンはユリアにレーエンデの風景や文化を教えてくれますが、彼には秘密がありました。ユリアはトリスタンに惹かれていきますが、やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていきます。

キャラクター紹介

ユリア:本作の主人公。聖イジョルニ帝国の北部にあるシュライヴァ州の貴族の娘。父はシュライヴァ騎士団団長。母を亡くしてからは親族に束縛されていたが、父の旅に同行しレーエンデに向かう。レーエンデでトリスタンと出会い、彼に惹かれていく。

トリスタン:レーエンデで暮らす森の民の一人。琥珀の瞳を持つ寡黙な射手。ユリアにレーエンデのことを教えてくれるが、自分の過去や出自には謎が多い。

ヘクトル:ユリアの父であり、シュライヴァの英雄。ある目的のためにレーエンデの森へと足を踏み入れる。明るく陽気な性格で、トリスタンをからかったり励ましたりする。娘のユリアを溺愛している。

リリア:ユリアの親友であり、レーエンデで暮らす娘。美しい黒髪をコンプレックスに感じている。

テーマとメッセージ

この本のテーマは、「自分の居場所を見つけること」だと思います。

主人公のユリアは、自分が生まれ育ったフェデル城では自由に生きられなかったため、父と旅に出ます。レーエンデでは、トリスタンや仲間たちと出会い、自分が本当に望む生き方を見つけます。

しかし、レーエンデは争乱や災害に見舞われ、ユリアは自分の居場所を失う危機に直面します。

それでも、ユリアはレーエンデを愛し、レーエンデの人々を救おうとします。この本は、自分の居場所を見つけることがどれだけ大切で難しいことかを伝えてくれます。

また、この本は、「違う世界や文化を理解すること」もテーマにしていると思います。

ユリアは地域からレーエンデに来た少女ですが、レーエンデの自然や文化、歴史や政治などを学びます。そして、レーエンデの人々と交流し、彼らの思いや苦しみを理解します。この本は、違う世界や文化に触れることがどれだけ素晴らしいことかを伝えてくれます。

そして、この本から私が受け取ったメッセージは、「自分らしく生きること」と「他者を尊重すること」です。

ユリアは自分らしく生きることを求めてレーエンデに旅立ちますが、それは自分勝手なことではありません。彼女はレーエンデの人々に寄り添い、彼らの幸せを願います。

彼女はレーエンデの世界に敬意を持ち、その秩序や平和を守ろうとします。

著者について

多崎礼さんは、日本の小説家で、ファンタジー作品を中心に執筆しています。

2006年に『煌夜祭』で第2回C★NOVELS大賞を受賞し、デビューしました。その後、『〈本の姫〉は謳う』シリーズや『血と霧』シリーズなど、独創的な世界観と美しい文体で多くの読者を魅了してきました。

2023年6月には、8年の歳月をかけて書き上げた『レーエンデ国物語』(第1巻)を講談社から発売しました。

この作品は、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国を舞台に、母を失った領主の娘・ユリアと、呪われた地・レーエンデで出会った寡黙な射手・トリスタンの冒険と成長を描いた王道ファンタジーです。

多崎礼さんは、自身のブログで、この作品の執筆過程や思い入れなどを語っています。

評価や評判

『レーエンデ国物語』(第一巻)は、2023年6月に講談社から発売されたファンタジー小説です。この作品の評価や評判には、以下のようなものがあります。

書店でのランキング

この作品は、発売直後から多くの書店や読書メーターでランキングに入りました。たとえば、紀伊國屋書店ベストセラーでは、2023年6月2週に小説部門で第1位になりました。

有名作家からの推薦

この作品は、多くの有名作家や評論家から絶賛されました。

「この波瀾に満ちた別世界をヒロインとともに歩めるのは読者(あなた)の特権です」

『アルスラーン戦記』の著者:田中芳樹さん

「魅せられた。銀呪の地、レーエンデに。ファンタジーはこうでなくっちゃ!」

『霧のむこうのふしぎな町』の著者:柏葉幸子さん

読者からの感想

この作品は、読者からも高い評価を得ています。Amazon.co.jpでは、2023年10月現在で104件のレビューがあり、平均評価は4.1点です。

読者からは、「世界観に入り込めれば良質なファンタジー」「ユリアとトリスタンの関係に胸を踊らせた」「銀呪病の謎が気になる」などの感想が寄せられています。

感想

私はこの本を読んで、まるで自分もユリアと一緒にレーエンデの冒険に出かけたような気分になりました。

この本は、レーエンデの不思議な自然や文化を細かく描写しているので、読んでいるとその場にいるような臨場感があります。例えば、空を舞う泡虫は、まるで石鹸の泡のように軽やかで美しく、触れるとふわっと消えてしまうという描写があります。

他にも、乳白色に天へ伸びる古代樹は、その根元には様々な動物や植物が住み、その枝には森の民が家を作って暮らしているという描写があります。

これらの描写は、想像力を刺激し、レーエンデの世界に没入させてくれました。

また、この本は、登場人物たちも魅力的でした。

主人公のユリアは、自分らしく生きることを求めてレーエンデに旅立ちます。彼女はレーエンデでトリスタンと出会い、恋に落ちます。トリスタンは寡黙でクールな性格ですが、ユリアには優しくて献身的な態度を見せます。

他にもヘクトルやリリスなど、個性的で魅力的なキャラクターがたくさん登場します。彼らの成長や葛藤、友情や愛情などが感動的に描かれています。

この本は、王道ファンタジーの要素を盛り込みながらも、独自の世界観やストーリー展開を見せてくれます。私はレーエンデという世界に夢中になりました。

個人的に心に響いた言葉は、「私は雨になってあなたに降り注ぎたかった。だけど、私が”花”だと思っていたあなたは実は”雨”で私が”花”だったのだ。」というところです。

そのときの情景の描かれ方にも影響されましたが、この部分に著者の繊細な表現が現れていてとても刺さりました。

おすすめの読者層

『レーエンデ国物語』は、王道ファンタジー小説ですが、それだけではありません。この本は、自分らしく生きることや他者や社会と調和することなど、普遍的なテーマやメッセージも含んでいます。

また、美しい文体やキャラクターも魅力的です。したがって、この本は以下のような読者層におすすめです。

  • ファンタジー小説が好きな人
  • 冒険や恋愛の物語が好きな人
  • 美しい文体や魅力的なキャラクターに惹かれる人

また、この本は、冒険や恋だけではなく、自分の居場所を見つけることや違う世界や文化を理解することなどもテーマにしているので、そういったことに興味がある人にもおすすめです。

この本は、ファンタジー小説だけではなく、人生の物語でもあります。

まとめ

以上が、私が紹介したかった『レーエンデ国物語』(第1巻)についての感想でした。

この本は、王道ファンタジー小説でありながら、自分らしく生きることや他者や社会と調和することなど、普遍的なテーマやメッセージも含んでいます

また、読者に「愛することの意味」と「自分の選択に責任を持つこと」を問いかけています。

この本は、ファンタジー小説が好きな人やロマンス小説が好きな人におすすめです。

きっとあなたも多崎礼さんのファンタジー世界に魅了されるはずです!ぜひ、読んでみてください。

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