職場で無礼な態度をとられたり、見下されたりするとストレスや不安、怒りなどのネガティブな感情が湧いてきませんか?
無礼な態度は、人の心と体に深刻なダメージを与えるだけでなく、組織の生産性や業績にも悪影響を及ぼします。
逆に、礼儀正しい態度は人の幸福感や健康、パフォーマンスを高めるとともに、信頼や協力、創造性を育みます。では、どうすれば礼儀正しくなれるのでしょうか?
今回は、クリスティーン・ポラスの『Think CIVILITY』を紹介します。
本書は、20年間にわたって「職場の無礼さ」を研究してきた著者が、その科学的なエビデンスと具体的な実践方法を紹介してくれます。あなたも本書を読んで、最強の武器である「礼儀正しさ」を身につけてみませんか?
書籍紹介
本書は、ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授であるクリスティーン・ポラスが執筆したビジネス書です。著者は、「職場の無礼さ」が人や組織に与える影響を調査し、その結果を多数の事例やデータとともに紹介しています。
また、「礼節チェックテスト」や「無礼な人間とともに働くことになってしまった人が、その状況にどう対処すべきか」など、職場で役立つ実践方法も提供しています。
全米で話題となり10万部を突破したベストセラーであり、日本では2019年6月に東洋経済新報社から出版されました。ビジネス界だけでなく、教育界や医療界でも注目されており、多くの読者から高い評価を得ています。
あらすじ
本書は、「無礼さ」と「礼節」の二つの観点から構成されています。
第1部では、「無礼さ」が人や組織に与えるデメリットを5つを挙げて説明しています。
これらのデメリットは、自分が直接無礼な態度を受けた場合だけでなく、他人が受けた場合や目撃した場合でも発生することが科学的に証明されています。
第2部では「礼節」が人や組織に与えるメリットを、5つ挙げて説明しています。
これらのメリットは、自身が礼儀正しい態度をとることで、周囲の人たちも礼儀正しくなるという好循環を生み出すことで得られることが示されています。
本書は、無礼さと礼節の科学的な知識と実践的なノウハウを提供することで、読者に最強の武器である「礼儀正しさ」を身につけることを促しています。
テーマとメッセージ
著者は、礼儀正しさがビジネスや人間関係において重要な役割を果たすことを訴えています。
ここでいう礼儀正しさとは、相手に敬意を払い、思いやりを持ち、感謝や謝罪を表すことです。それは、言葉や態度だけでなく、目配せや笑顔などの非言語的なコミュニケーションにも表れます。
本書のメッセージは、「礼儀正しさ」が最強の武器であるということです。著者は、自身や他の研究者の研究に基づいて、礼儀正しさが人や組織に与える多くの利益を紹介しています。
それは、幸福感や健康、パフォーマンス、信頼、協力、創造性などです。
また、逆に無礼さが人や組織に与える多くの損害には、ストレスや不安、怒り、心身の不調、生産性や業績の低下などがあると紹介しています。
これらのエビデンスから、「礼儀正しさ」が自分自身や周囲の人たちにとって有益であることを示しています。そして、「礼儀正しさ」は誰でも身につけられるものであり、そのために必要なことは「気づき」と「行動」だけであると教えてくれます。
本書は、「礼儀正しさ」を身につけることで、自分も他人も幸せになれる方法を提案する一冊です。
著者について
クリスティーン・ポラスは、ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授であり、「職場の無礼さ」を専門に研究する学者です。
彼女は、「職場の無礼さ」が人や組織に与える影響を調査し、その結果を多数の学術論文やメディア記事で発表しています。
また、グーグルやピクサー、国際連合や世界銀行などの有名企業や組織に対して、礼節の重要性や向上策を教えるコンサルタントとしても活躍しています。
彼女は、自身の経験や観察から、「礼儀正しさ」がビジネスや人間関係において重要な役割を果たすことを確信しており、そのメッセージを広く伝えることに情熱を持っています。
本書は、彼女の20年間にわたる研究成果と実践的なノウハウを凝縮した一冊です。
読んだ感想
本書を読んで、私は「礼儀正しさ」について新たな気づきや学びがたくさんありました。
まず、無礼さが人や組織に与える悪影響の大きさに驚きました。無礼な態度は、自分だけでなく周囲の人たちも不幸にするということが科学的に証明されていると知って、無礼さの危険性を感じました。
また、無礼さに対する自分の対処法が間違っていたことに気づきました。一般的には、無礼な人には無視するか反撃するかのどちらかだと思っていましたが、本書ではそれらは効果的ではなく、むしろ自分や他人に悪影響を及ぼすことが説明されていました。
本書では、無礼さに対する正しい対処法として、4つのステップが紹介されています。これらを実践することで「自分や他人の尊厳を守り、無礼さの連鎖を断ち切ることができる」といいます。
一方で、礼節が人や組織に与える良い影響の多さにも驚きました。「礼儀正しさ」は、自分だけでなく周囲の人たちも幸せにするということを科学的に証明されていると知って、改めて礼節の価値を認識しました。
また、「礼儀正しさ」というと難しくて堅苦しいものだと思っていましたが、身につける方法が簡単であることは意外でした。こちらも4つのステップが紹介されています。
私は、これらのステップを実践することで、職場での人間関係が良好になったと感じています。
本書を読んで、「礼儀正しさ」の力というものに一理あるなと思いました。私は、「礼儀正しさ」が自分も他人も幸せにする最強の武器であるなら、「とりあえず続けてみよう」と思っています。
そして、本書のいう「礼儀正しさ」について。
恐らく日本語と英語のニュアンスの違いがあるのだろうなと思うのですが、「礼儀正しさ」=「マナー、作法」ではなく「丁寧な」「親切心のある」「向社会的な」ぐらいの意味にとれました。
おすすめの読者
以下のような方におすすめです。
- 職場で無礼な態度を受けたり、目撃したりすることに悩んでいる方
- 職場での人間関係やコミュニケーションを改善したい方
- 職場でのパフォーマンスや業績を向上させたい方
- 礼節の重要性や効果を科学的に知りたい方
- 礼節を身につける方法や実践例を知りたい方
本書は、職場での無礼さや礼節に関する最新の研究成果と実践的なノウハウを提供してくれます。本書を読むことで、あなたも最強の武器である「礼儀正しさ」を身につけることができるでしょう。
まとめ
『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は、「礼節の科学」をテーマにした本です。
著者は、「職場の無礼さ」を研究する教授で、無礼さがもたらす悪影響と礼節がもたらすメリットをエビデンスに基づいて分析しています。
また、自分や周りの人の礼節レベルをチェックする方法や、礼節を高めるための具体的な行動やコミュニケーションのコツなども紹介しています。
この本を読んで、礼節ある人間関係や職場環境の大切さを再認識しました。ビジネスでも人生でも成功するためには、「礼儀正しさ」が最強の武器になるということに、一理あると思います。
以上、『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』を読んでみた感想でした。気になる方はぜひ読んでみてください。